2009年10月10日土曜日

日曜大工

ずっと以前に、衣類や小物を掛けるために作ったハンガー。使っていないときでも、見た目に美しく、楽しいものになるようにと、できるだけスリムで格好いい外観に仕上げた。数年ごとにペンキの塗り直しをするためか、次第に深みのある渋い光沢を放つようになり、先日訪ねてきた客はそれを見てアート作品と錯覚したそうである。デザイン系日曜大工作家(笑としては、それは最高の誉め言葉なのだ。




そして、先月の連休中に作った新ハンガーが左の写真。自室に置くものなので、前作のデザインを踏襲しつつも若干の手直しをした。両サイドの支柱に厚みを持たせ、仮に重いものを掛けても大丈夫なように。しかし頑丈にすると、それだけ野暮ったくなるので、段の位置を全体に上げて、ちょっと腰高の軽快さを演出してみた。当初の予定では天井近くまで届くものを考えたが、2メートル以上の材木は加工が大変なうえ、コストも嵩むことが判明してあえなく断念する。結局、サイズは前作とほぼ同じだが、「男の道具」というようなやや硬派の雰囲気のあるハンガーが出来上がった。


塗装はまだだが、部屋は会計事務所みたいに素っ気ないので、アクセントにするため活気のある色にしようと思っている。できればトマトソースみたいな、食欲のわくようなイタリアンレッドがいい。しかし、塗料の配合がつかめなのでしばらくお預けである。楽しみは、もう少し後まで取っておきたい。

2009年10月2日金曜日

丸より四角


肌寒く感じる夜が増えてきた。冷たい料理よりも、熱々のグラタンが欲しくなる季節だ。素材は何でも良い。店で目についた旬の野菜を適当に選んで、作り置きのソースと混ぜてオーブントースターでチンするだけ。新鮮さと温度がご馳走の料理である。

ところがだ、グラタンを料理する際に、これまで深刻な問題があった。丸い皿がオーブントースターに一度に一つしか入らないのである。そして、1枚目を高温で熱すると、2枚目の皿からはサーモスタットが働き、十分な加熱ができなくなる。時間をかけてようやく2枚目が焼ける頃には、すでに1枚目が冷えてしまっている。実に不幸せだ。

で、何とかならないかと無い知恵を絞って考えたのが、四角い皿を探して、並べて同時に2枚焼けるようにすること。しかし、ただでさえ庫内の狭いトースターである、二つ同時に並んで、かつ最大限のサイズの皿は、世の中にそうあるものではない。ところが、たまたまバーゲンセール中の店頭で発見したのが写真の皿なのである。大きさを測ってみると、実際に試してみないと判断がつかないくらい微妙だったが、駄目で元々の気持ちで買って帰った。

そして、オーブントースターに恐る恐る突っ込んでみると、なんと2枚の皿は一分の隙もなく、ぴったりと収まった。文字通り、ぴったり。それ以来、いつも二人同時に、熱いグラタンを楽しめるようになった。幸せを取り戻した気分であることはいうまでもない。