2014年1月29日水曜日

万年筆に戻る


万年筆を使うようになりました。
根っからのボールペン派だったのですが、漢字の練習が切っ掛けになって、万年筆で字を書く楽しみを知ったのです。
元来私は筆圧が強い上に悪筆だったので、万年筆には向いていないと思い込んでいたのですが、年齢と共に肩の力が抜けてきたのか、いつの間にか万年筆との相性がよくなってました。
ボールペンでこつこつと字を刻むより、万年筆でサラサラと流す方が疲れないし気分がいい。
そういうわけで、徐々に万年筆派に転向しつつあります。

最初は漢字の書き取りのため子供向けのお稽古万年筆で書いてましたが、熱心に取り組んだので早々と専用カートリッジを切らしてしまいました。
それでインクを求めて物置の道具箱を漁っていたら、中から忘れ去られていた古い万年筆が出てきました。
まだワープロより手書きの機会が多かった頃に、悪筆が少しでもマシに見えるようにと買い求めたドイツ製の万年筆。
上達するにはいい道具が必要と考えてのことでしたが、よほど相性が悪かったのか肩が凝るし、しかも悪筆は一向に改善せず、結局放り出されて箱の隅で長年眠ったままになっていたものです。

分解洗浄した万年筆に、真新しいインクを詰めました。
おそるおそる字を書くと、当時の印象よりずっと滑らかに書けます。
相変わらず下手ですが、以前よりずっと伸び伸びと書ける。
こう言っては何ですが、万年筆を趣味にされている方々の多数の直筆を拝見して、ちょっと自信が出てきました(笑。
妙なコンプレックスを持たずに堂々と書けば、下手は下手なりそれ相応に見えるのじゃないでしょうか。
久しぶりに手にしたペリカンを手にして、そんなことを考えました。

亡き父は子供の頃から達筆で、毛筆だろうが万年筆だろうが、堂々たる素晴らしい字を書いていた。
愛用の特製万年筆は、誰の手にも渡らず大切に保管されています。
その万年筆に恥じない字が書けるようになるまで、しばらく練習を続けたいと思ってます。

2014年1月25日土曜日

築地へ


味噌を仕込む季節になりました。
麹と塩は準備したのですが、肝心の大豆が未だだったので築地の市場へ行きました。
土曜なのである程度の覚悟はしてましたが、想像以上の混雑で買い物するだけでもずいぶんと時間がかかります。

年齢を問わず、外国の観光客が多いですね。
かつてと違い、顔つきや服装ではほとんど区別ができず、言葉の違いでようやく気がつく。
民衆が海を越えて、気軽に隣国の市場まで買い物に来る時代になったのだなあ・・・。



いつもの店で、豆を選びます。
大豆と花豆だけのつもりだったのに、選んでいるうちにあれもこれもと余計に買ってしまいました。
豆を買うって、ずっしりとした重さが幸せなんです。
買い物に充実感があるというのか、重いと何かしら得した気になるのですね。
それでつい、毎度買いすぎてしまう。


大豆の新豆。今年も張り切って仕込みます。

2014年1月13日月曜日

カゴの中


のぞき趣味がありまして。
いえ、手鏡や携帯でとかいうあれじゃなくて、レジで行列している際に、お隣のカゴの中をちらりと観察するだけです。
年齢性別、嗜好、家族構成などがカゴの中に如実に表れて、少々待ち時間が長くても退屈しません。

私の住む地域は裕福なご老人が多く、カゴの中には上等な牛肉や魚、果物がふんだんに詰め込まれてます。
長寿の理由はこんなところで分かります。
若い人は、お菓子類が目立ちます。
外食が多いから調理なぞしないのでしょうね。
子育て中の人は、子供用のお菓子もそうですが、なぜか出来合いのおかずが多い。唐揚げなんかの揚げ物が目立ちます。
もうちょっと栄養バランスを考えた方がよくないかい?などと、心の中でそっと呟く。

ちょっと悲しいのが、いかにも一人暮らし風の男性高齢者。
大型サイズの焼酎に、巻き寿司やらおかず類がほんの少し。
たまに紙おむつを買っておられる人がいて、きっと奥さんの介護をされているのだろうと思うと心が痛む。
単身赴任。
栄養に気をつけるよう言われているのか、缶ビールと並んで殊勝に野菜サラダが入っています。
それにしてもひどくお疲れのご様子。

不思議とどのカゴでも共通しているのが、ペットボトルの多さ。
中身は様々でも、とにかくペットボトルが多い
世の中から、ふつうに水道水を飲んだり、お茶をいれたりする習慣が消えたのだろうか。
私の場合ペットボトルと言えば、せいぜい料理酒や醤油を買ったときくらい。
そのほうが石油を浪費せずにすむし、そもそもお財布に優しいじゃありませんか。
つまらないお節介を呟いてます。

私のカゴ?
お見切りの野菜や賞味期限の近くなった食品など、見栄のない、こざっぱりした品々ばかり。
見る人によっては、極めて残念な内容です(笑。
そんな調子ですから、一度の買い物で千円を超えることなど滅多になかった。
ところが最近、千円越えが当たり前になりました。
本格的に食料価格が上昇してきたようです。
値段は据え置きなのに、内容量が減少するケースも増えている。
円安と世界市場における大豆や小麦、原油や肥料価格などの価格高騰がダブルパンチで効いている。

小さなカゴの中には、世の中のあらゆることが詰まっています。
行列が長くなったとき、素知らぬ顔して、ちらりと隣のカゴを観察するのも一興ですぞ。